研究概要 |
熱硬化性樹脂の内部応力の評価に材料力学的な手法を系統的に応用するため,熱硬化性樹脂の硬化時の基本的な物性の実験的測定とその構成関係を定式化を行った. 1.熱硬化性樹脂の硬化遇程での物性値 (1)樹脂の硬化時に生ずる体積変化を浮力変化から測定する方法と,樹脂表面の位置の変化をギャップセンサーを用いて測定する方法を提案し,樹脂硬化時の体積変化を測定した. (2)樹脂硬化時の体積変化は硬化温度に影響されることを見いだし,種々の一定温度下での樹脂の体積変化を実験的に定めた. (3)温度が変動する場合の樹脂硬化時の体積変化を,種々の一定温度下での樹脂の体積変化から決定する方法を提案し,変動温度下での樹脂硬化時の体積変化を定めた. 2.熱硬化性樹脂の硬化過程での粘弾性特性 (1)樹脂硬化時の粘弾性特性を2重円筒のレオメターによってクリープ変形を測定し,種々の一定温度下でクリープ変形を実験的に定めた. (2)得られたクリープ変形を粘弾性モデルを用いて,定式化することが出来た. (3)種々の一定温度下でのクリープ変形から,変動温度下でのクリープ変形を計算する方法を提案し,変動温度下でのクリープ変形を計算出来た. これらの研究結果から,樹脂硬化時に樹脂に発生する内部応力を計算するための基礎資料が得られた.
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