研究概要 |
2次元非連成の非定常熱・動弾性問題における境界の応力成分を関係づける境界積分方程式を,支配微分方程式をLaplace変換することにより導出した。この境界積分方程式は,被積分関数にCauchyの主値のオーダーの特異性を有する積分核と超特異核を有しており,境界積分方定式の導出に際して,境界上に置いた基本解のソース点まわりの微小境界を取り除いて積分を予め解析的に評価した後、その微小境界を0に近づける極限操作を行った。さらに,ソース点近傍の境界について,積分変数を境界の弧長から,ソース点と観測点の距離に変数変換することにより,発散積分の有限部分を任意の境界形状を想定して求めた。連成項に関する部分は二重相反法により境界積分に変換した。ソース点近傍の境界については,積分変数を境界の弧長から,ソース点と観測点の距離に変数変換することにより,発散積分の有限部分を任意の境界形状を想定して求め,得られた超特異境界積分方程式を高次曲線要素で離散化するための一般的な変位,表面力,温度,熱流束の内挿スキームを開発した。以上の手順を3次元問題についても繰り返し,3次元の非連成・非定常動弾性問題における応力成分を関係づける超特異積分方程式の定式化を行った。 次に,境界上の変異,表面力,応力の感度係数を関係付ける積分方程式とその離散化アルゴリズムを導出し,Fortranプログラムを開発した。この方法を,エネルギ解放率を変位や表面力の感度係数からエネルギ解放率を計算する方法に応用し,異材界面き裂の応力拡大係数を高精度に計算する方法を開発した。
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