研究課題/領域番号 |
11650093
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
機械材料・材料力学
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研究機関 | 九州工業大学 |
研究代表者 |
中垣 通彦 九州工業大学, 情報工学部, 教授 (90207720)
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研究分担者 |
小金丸 正明 福岡工業技術センター, 研究員
呉 亜東 九州工業大学, 情報工学部, 助手 (60304870)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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キーワード | 粒子分散複合材料 / 等価介在物理論 / メゾ・メカニックス解析 / Self-consistent法 / Localised Rigidity法 / 繊維強化複合材料 / 知能材料 / 形状記憶合金 |
研究概要 |
本研究は、機能性の高い知能材料の創成のための、材料挙動の予測を可能とするモデル開発を目的とする。多数のマイクロ・アクチュエータが微視的に分散または配列した構造をもつ複合材料である。本研究ではアクチュエータ材料として相変態材料を考え、その単体であれば比較的変形挙動の自由度の低い材料を、微視的な粒子形状を選択しまた分散/配列することによって、自由度が高く任意の性能を賦与することのできる知能材料の構成則を構築した。そのために本目的を唯一可能とする当研究者らの開発したSCC-LRMモデルを用いた。本研究では、分散粒子の形状と分散/配列、配向およびアクチュエータ材料挙動が、最も重要なパラメタとなり、(日)これらの介在物の幾何学的形状と材料特性をモデル化し、SCC-LRM理論により複合体に統合する事によりモデルを構築した。構築された本モデルを挙動解析し、有効性を検証するため、(月)微視的なユニット領域をとり、FEMによりメゾメカニックス解析を実施する一方、(火)実際に粒子分散知能材料を作成し、それを用いた試験体の実験を行うことによってモデルの挙動を確かめた。 当初の研究目的に沿っで実施し、具体的に以下に示す成果を得た。 (1)申請者らが開発したSCCモデル、LRMモデルの実際材料への適用性を実証するため、次の実験を実施した:市販のポリマー・マトリックスの繊維強化プラスティックス複合材料の引き張り試験体を作成し、引き張り試験を実施した。同材料を用いて熱伝導試験および熱膨張試験を行った。また、比較的ヤング率の低いポリマーを母相とし、微細ガラス粒子を分散させた複合材料を試作し、引き張り塑性挙動の検定を行った。これらの実験とメゾ解析によってSCC, LRM構成則モデルを実際的に検証し、それぞれ非常によい相関を得、モデルの有用性を実毎した。 (2)本SCCモデルおよびLRMモデルを用いて知能複合材料の材料構成則を立てた。マイクロ・アクチュエータとなる介在物粒子には、形状記憶合金を用い、その温度-応力挙動をBoyd-Lagoudas則によりモデル化した。 (3)知能粒子を分散させたユニット・モデル領域に独立した均質化理論を適用し、有限要素法を用いてメゾメカニックス解析を行った。これにより、上記(2)の知能材料モデルの挙動を解析し数値解析的に検証した。 これらの研究成果を日本機会学会誌、APCOM99、ICONE8、ICES2K、ECCOMAS2000、ACCM2000、MM99、MM2000、計算工学会、他などの誌上および学会で発表した。また今後発表予定のため論文数編を準備している。
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