研究課題/領域番号 |
11650097
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研究機関 | 大阪府立大学 |
研究代表者 |
谷川 義信 大阪府立大学, 工学研究科, 教授 (30081219)
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研究分担者 |
河村 隆介 大阪府立大学, 工学研究科, 助手 (70234135)
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キーワード | 弾性解析 / 不均質材料 / 形状最適化問題 / 材料組成最適化問題 / 遺伝的アルゴリズム / セルラ・オートマトン |
研究概要 |
本年度当初の研究計画に従い、解析モデルとして、機械要素の基本形態の一つである薄肉および厚肉の中空球を取り上げ、非一様な軸対称加熱を受ける場合を想定し、厚さ方向ならびに子午線方向に関する二次元的な材料組成の不均質性を仮定し、熱応力緩和および遮熱性の向上という二目的最適化問題を取り扱った。この多目的最適化問題の数値シミュレーションにおいては、純粋な解析的取り扱いを行うことが不可能であるため、数値計算に際しては、有限要素法を用いた。また、本多目的最適化問題におけるパレート最適解集合の探索に、遺伝的アルゴリズムを用いた。遺伝的アルゴリズムの適用に際しては、既存の整数型遺伝子によるアルゴリズムでは、競合する複数の目的を同時に、ある程度最小化する多様なパレート最適解集合を十分に求めることが困難であったために、最近二、三年の間に提案されている新しいアルゴリズムを精査し、新たに実数型遺伝子を導入するなどの大幅な改良を行った。また、解析モデルとして、厚肉および薄肉の中空円筒を取り上げ、非一様な非軸対称加熱を受ける平面問題を想定し、厚さ方向および円周方向に関する二次元的な不均質材料組成について、上記と同じく、熱応力緩和と遮熱性の向上という多目的最適化問題を取り扱い、所要の解集合を求めることが出来た。上記の通り、厚肉および薄肉の中空球と中空円筒に対する材料組成の多目的最適化に関しては、十分な結果が得られた。さらに、これらの材料組成多目的最適化問題により得られた解を初期値として、重量の軽量化と熱応力に関する強度の確保を目的とした最適形態設計について、材料組成最適化問題と同じく、遺伝的アルゴリズムと有限要素法を用いた解析システムの構築に取り掛かった。現在、このシステムを構築中であり、まだ、数値計算結果を出せる段階まで辿り着いていないが、近い内に成果を得られるものと考えている。
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