研究課題/領域番号 |
11650099
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研究機関 | 東北学院大学 |
研究代表者 |
樋渡 洋一郎 東北学院大学, 工学部, 助教授 (30048813)
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研究分担者 |
遠藤 春男 東北学院大学, 工学部, 助教授 (20137582)
星宮 務 東北学院大学, 工学部, 教授 (40118336)
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キーワード | 光音響映像法 / 光音響顕微鏡 / 孔食 / 表面局部欠陥 / 非破壊検査 / 電気化学的測定 / 浸せき試験 |
研究概要 |
本研究においては、表面局部欠陥を非破壊的に検出するために、新たな方法として、光音響顕微鏡(Photoacoustic microscopy;PAM)をツールとして用いて、その光音響像と位相像を評価、解析することを目的としている。今年度は、アルムニウム平板などに生じた孔食((a)浸せき試験と(b)電気化学的に生じた孔食)を光音響法(PAS)により映像化し、深さなどの情報を光音響信号強度から推定する試みることを課題として研究を行った。 (a)の浸せき試験は、まず初めに、アルミニウム平板を数種の濃度の塩化ナトリウムを含むエタノール水溶液中に約一時間浸した後、光学顕微鏡検査により形状及び深さを確認し、次に走査電子顕微鏡(SEM)により写真撮影なども行い、なお詳細な形状等を調べ、次に光音響顕微鏡(PAM)測定を行った。(b)の電気、化学方法は、ジュラルミン平板を塩化ナトリウム水溶液中において、電気化学的にポテンショスタットを用いて定電位電気分解して発生した孔食を、(a)の場合と同様の処理を行った後、PAM測定を行った。 具体的には、1例として、0.1mol NaClを含む20%エタノール水溶液中に純アルミニウム平板を、144時間浸せきしたもののSEM写真と変調周波数f=360Hzで測定した光音響(PAM)像と位相の振幅像の信号強度の検討も行った。SEM写真は、矩形状に近い浅い孔食が確認された。光音響(PAM)と位相の振幅像の信号強度が表され、位相の信号分布は、実際の孔食の、穴の深さ方向の横断面を示した。この場合、深さは41μmであった。また、孔食が深くなるにつれて、位相の振幅像の信号強度は、断面の深さ方向に強くなることが分った。 その結果、このように実際の孔食のその光音響像と位相像を評価、解析することが出来、国際会議等で発表し、良い成果が得られた。
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