研究課題/領域番号 |
11650103
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研究機関 | 武蔵工業大学 |
研究代表者 |
大谷 眞一 武蔵工業大学, 工学部, 教授 (80120864)
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研究分担者 |
杉山 好弘 武蔵工業大学, 工学部, 教授 (60061511)
萩原 芳彦 武蔵工業大学, 工学部, 教授 (70061546)
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キーワード | X線応力測定 / 単一入射法 / 片持ち回転曲げ疲労試験 / 疲労き裂検出 / 疲労強度 / 実応力分布 |
研究概要 |
研究代表者らによる過去の研究から、疲労試験中における試験片外周上に実際に作用している応力(実応力)分布を測定し、その変化からき裂の発生位置、時期およびき裂長さを明確に検出できる可能性が想定できたので、本研究では疲労試験方式として片持ち回転曲げ疲労試験を採用し、本年度は回転曲げ疲労試験中における最大引張応力負荷時の試験片外周上の実応力分布を測定するシステムの開発を主に行った。単一入射法によるX線応力測定装置は信号処理装置の改造・検出器の改良を加え、応力分布測定の高速化が達成できた。 続いて応力除去焼なましを行った炭素鋼(S45C)試験片を使用して、疲労試験中における実応力分布の測定を行い、実応力分布からき裂の発生時期および発生位置の検出が可能性を検討した。さらに外周上の一個所に円孔の人口欠陥を設けた試験片を用いて実応力分布を測定し、本測定法のき裂検出限界についても検討した。 本年度の成果は、以下のとおりである。 (1)巨視的なき裂が発生するまでは実応力分布は一定で分布形状に変化は見られないが、実応力分布の平均値は繰返し回数の増加にともない緩やかに減少する。 (2)き裂が発生した後、き裂発生位置の実応力は大きく減少し、実応力分布はき裂発生位置を中心としてV字の形状を示す。 (3)き裂検出能力を向上させるにはX線照射面積の縮小が有効であることがわかった。しかし本測定条件の範囲では、表面き裂の長さがX線照射面積の幅と同程度以上の寸法にならなければ実応力分布の形状に変化が現れず、き裂の検出は行えない。
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