研究概要 |
混合モード下では,き裂の進展に伴い,一定の凹凸が接着破面に形成される.き裂先端での応力解析を行い,静水圧成分を考慮したクレーズ発生基準を用いれば,この破面形成メカニズムが説明される.また,繰り返し荷重下ではモードII成分の増加に伴い,き裂進展抵抗が増す.特に,thresholdの増加が顕著である. エポキシ系接着剤の場合,エネルギ解放率範囲ΔGが小さくなるにつれ,凝集破壊からき裂は界面を進展するようになる.途中,混合破壊形態が出現する.あるエネルギ解放率以下(Gth)では,き裂の成長が一時停止する.その大きさは,被着体表面の状態(表面処理)等に影響される.さらに,通常条件下では,Gth以下でもそれまで停留していたき裂が再び進展し始める(2次進展と呼ぶ).また,これらのき裂進展挙動は,負荷のモード,すなわち,モードIとIIの組み合わせに強く影響される.この2次進展は接着側面端部からの水分の進入による.65%程度の実験室環境を標準として接着継手の破壊に及ぼす水の影響がある 水の影響はエポキシ樹脂が母材のCFRPでも見られる.実験室環境下で成形した場合,CFRPの引張り強度は絶乾条件下より20%以上低下する.高サイクル疲労強度では,成形中の吸水のみならず、疲労試験中の微少水分の影響が極めて顕著である.破断した繊維の回りに樹脂の付着はなく、界面破壊が羊である.絶乾状熊では寿命が大きく伸びるだけでなく、破面に樹脂の付着が認められた.母材であるエポキシ樹脂への水の侵入によって繊維との界面強度が低下し、CFRPの強度は低下する. 単純重ね合わせ継手の接着破面を精査すると,破壊初期、フィレットがない場合、初期き裂は応力が特異となる界面端で生じ、しばらくの間は界面をき裂が進む.しかし,まだ不安定き裂成長が生じる前にき裂は界面から凝集へと変化する.その遷移位置は再現性があり、物理的意味を持っている.
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