3点法による軸の回転精度測定法の開発を行った。 まずは、軸の回転精度測定のための重み付け加算と逆フィルタリング法に基づく新しい3点法を提示した。そして、提示した手法の伝達関数はセンサの伝達関数以外について真円度形状測定の場合と一致することを示した。さらに、提示した手法は補正に基づく手法と入出力関係が全く同じ物を異なる手順、異なる表現形式で表しているものと考えられることを示した。 次に、逆行列法を一般化された3点法に適用し、真円度形状および軸の回転精度を同時に求める手法の理論構成を行った。ここでは、逆行列法は逆フィルタリング法と基本的には同じ入出力関係にあり、偶然誤差の影響と変検出子設定角のずれの影響は逆フィルタリング法と同じであることを示した。逆行列法に利点はサンプリング点数を自由に設定し真円度形状と軸の回転精度を求めることができることにある。一方、逆行列法が逆フィルタリング法に比較し不利な点は、計算時間がかかる点と多大なメモリを要する点にある。 最後に、3点法においてセンサ設定角を測定結果から算出するために相互相関を用いた場合、これを有効に用いることのできる範囲を調べた。その結果、サンプリング点数が256の場合では真円度形状に対するラジアルモーションの大きさが1程度のところまでしかセンサ設定角の算出をすることができないことを明らかにした。
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