研究概要 |
小さな変形(0.3μm/画面取込時間)にしか対応できなかった従来の定量的変形評価方法に,二波長のレーザー光を適用し,さらに新しく開発した1干渉画像から変形を高精度評価する方法を組み合わせて,大きな変形(数μm/画面取込時間)にも対応できる二次元変形の定量的変形評価方法を研究している.本年度は下記の研究を行った. 1.使用するカメラの奇数走査ラインと偶数走査ラインに,ほぼ同時刻のレーザ波長のみ異なる干渉画像を記録してコンピュータに読み出すための,トリガー発生電子回路(前年度製作)を改良し実験システム全体の同期性を改善した. 2.完成している「変形後の1干渉画像から変形を高精度に評価する方法」では,変形前の干渉位相データを必要とし,使用している位相測定法では,位相シフト量の誤差から来る測定誤差の混入が不可避である.そこで,位相シフト誤差の影響を受けない方法を新たに開発し,位相シフト量から来る誤差を低減する方法を組み込んだ. 3.粗面の変形や移動が大きく進むと,カメラ結像面での干渉光強度変化のモジュレーションも変化する.これまではこのモジュレーションは変化しないとしてデータ処理していた.測定のために取り込でいるデータからこの変化量を正しく予測し,その値をフィードバックしてモジュレーションが変化しても高精度に位相(変形計算に使用)を計測する手法を検討し,測定システムに組み込んだ.
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