研究概要 |
本年度は,切削抵抗モデルとサーボモデルの同時モデルの検証を行い,これを用いて送り速度オーバーライドによるエンドミル加工制御のための適応制御系の設計と検証を行った. 1.前年度に続き,エンドミル工具とワークの幾何学的干渉から求められる最大切り屑厚さと切削円弧長をパラメータとした切削抵抗モデルの検証を円弧切削実験にて行った. 2.送りサーボモデルにおいては,2軸同期運転時の指令値-オーバライド-サーボ系のモデルを構築し,1のモデルを組み込んだ同時モデルの検証を行った.同時モデルを用いて,超硬エンドミル(φ10)による炭素鋼(S50C)の切削試験において切削抵抗・サーボ系応答予測を行い,良好な予測精度が得られた. 3.同時モデルを用いて,切削抵抗を一定化する制御系の設計を行った.この結果,PI制御系にて良好な性能が得られることがわかった.設計した制御系を実際のCNC工作機械上で実装し,コーナ切削で検証を行った結果,予測通りの性能の適応制御系が構成できた. 以上により加工系を考慮したCNCサーボ系(特に適応制御系)が効率良く設計できることが実証できた.
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