研究概要 |
生産システムのライフサイクルの動向を分析するために,国内の主要製造企業約60社に対して,資料提供を依頼し,次世代の製造に関する取り組みの事例等の収集を実施した.それにより,生産システムのライフサイクルを考える上での基本となる,生産の市場適応,資源・環境問題への適応,および働く場の改善に対するこれからの方向性を明確にすることができた. 次に,生産システムのライフサイクル支援を行う際の,生産システムに対する基本モデルの検討を実施した.そこでは,工場の各ステーションを単位に,製造プロセスとそこでの物質・エネルギーの入出力,および労働者ならびに自然環境への負荷を定式化したモデルを作成した.そのモデルをコンピュータ上の離散事象シミュレーションシステムの上に実装を行い,生産システムのライフサイクル計画を行う上での基本データを生成できる基盤を構築した. また,最近,重要性を増しているライフサイクルアセスメントの手法,データ,ならびにツールの調査を行い,ライフサイクル支援を行う上でイベントリ分析とインパクト分析の適用可能性について検討を行った.さらには,仮想生産システムとのリンクにより,より詳細な生産システムのモデル化とシミュレーションの試行を実施した.
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