本研究では、物体形状の測定点群から得られた三角形メッシュと測定形状の概形を与え、その概形を初期多面体として細分割を行い、メッシュにフィットした細分割曲面を生成する手法を開発している。本年度は、細分割曲面として、 ●細分割スキームの設計として、4to1分割とLoop細分割を基本とした方式及びCutmull&Clark法を検討・評価した。 ●また、これらのスキームにより生成される曲面の連続性に関してG1性を持つことを評価・確認した。 さらに、フィッティング手法として、 ●細分割曲面と三角形メッシュ差分評価法 ●その差分評価に基づく細分割曲面の修正法 について研究を行い、差分評価としては、細分割極限点を用いる方法が計算効率上優れていることを明らかにした。これは、細分割曲面の制御点において、曲面に無限回の細分割を施したときの極限を計算するもので、極限は固有値解析によって求めることができた。修正法としては、差分をゼロとおいた方程式を解くことによって行われるが、局所的に修正を反復する方法を開発した。これらの方式や理論は、計算機上にプロトタイプソフトウェアとして実装されている。
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