研究課題/領域番号 |
11650149
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研究機関 | 福井大学 |
研究代表者 |
岩井 善郎 福井大学, 工学部, 教授 (40115291)
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研究分担者 |
前川 紀英 福井大学, 工学部, 助手 (20262610)
本田 知己 福井大学, 工学部, 助教授 (80251982)
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キーワード | トライボロジー / 硬質被膜 / TiN / TiN系多層被膜 / ウェットブラスト摩耗試験 / アブレシブ摩耗 / 加速評価法 |
研究概要 |
固体粒子衝突摩耗試験機(ウエットブラスト式摩耗試験機)を用いた硬質被膜の超加速評価試験法を提案し、ウプサラ大学(スウェーデン)にて作成された単層・多層の種々の硬質被膜の評価を行い、その有用性を検討した。得られた結果を以下に示す。 (1)硬質被膜(TiN)の固体粒子衝突試験を、噴射圧力、衝突角度、試験液濃度、粒子径を変化させて行い、被膜の摩耗量を最大摩耗深さで評価できること、試験結果の再現性が良いこと、及び各パラメータが摩耗量に及ぼす影響を明らかにした。 (2)粒子径の異なる2種類の粒子(1μmと10μm)を用いて、単層・多層被膜5種類について摩耗試験を行い、各材料の摩耗量および摩耗面の表面観察から粒子径による摩耗機構の違いを示した。10μmの粒子では、被膜と母材の界面近傍及び多層膜間の界面をまたいで摩耗が生じるのに対して、1μmの粒子では、被膜のみがサブミクロンのオーダーで摩耗する。 (3)(2)の摩耗機構によって、10μm程度の粒子を用いると、微小硬さと破壊臨界荷重から求められる被膜の密着強さと相関を持つ特性を評価できる。一方、1μm程度の粒子を用いると、被膜自身の耐アブレシブ摩耗性を評価できると考えられる。 (4)提案した固体粒子衝突摩耗試験を用いた被膜評価試験法は、被膜のトライボロジー特性評価の超加速試験法として有用であることが明らかになった。
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