研究概要 |
本研究では,従来の直交座標型の三次元座標測定繊(CMM)を縮小しただけではなく,閉リンク構造を並列に持つパラレルメカニズムを用いた小型のCMMを提案している.本年度は以下の項目について研究を行った. (1)ジョイントに用いるねじり型弾性ヒンジの形状最適化設計 リンクとリンクをつなぐ対偶部には摩擦の影響やスティックスリップのない弾性ヒンジを用いるが,許容回転角度および回転中心の移動が問題となる.ここでは回転中心の移動が少なく,回転角度範囲の大きなねじり型弾性ヒンジを提案し,その形状について検討した.まず,たわみが少なくかつねじりやすいねじりはりを有限要素法で解析し,従来の円弧切欠き型弾性ヒンジと比較しつつ検討した.さらに,はり部分に切欠きを入れたものについても検討した.以上の結果,たわみにくくねじれやすいはりの寸法と形状を得た.さらに,この方式の弾性ヒンジは従来のものと比較して数倍の回転角度範囲が得られること,はり部中央部に切欠きを入れることにより性能が向上することなどがわかった. (2)パラレルメカニズム型CMMのリンク配置の最適設計 測定分解能および測定精度向上を目的として,リンク配置の最適設計を行った.ここでは微小運動学と最適化手法を用いて最適なリンク配置を検討した.この結果,従来のリンク配置と比較して,ジョイントの運動誤差が測定精度に及ぼす影響が約43%減少すること,さらに測定分解能が約37%向上していることがわかった. (3)直動ジョイントの設計 以上のリンク配置の検討の結果,必要な直動ジョイントの寸法およびストロークがわかったので,これについての設計を行った.
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