研究概要 |
1.管フランジの最適なボルト締め付け手順について 金属平板ガスケットを使用して,一般に採用されている順序でボルトを締め付けた場合の軸力のばらつきを評価した結果,最大30%程度規定値より低下することを明らかにした.また,最終的にボルト軸力を一様にするために,各ボルトに必要な初期軸力の大きさを数値解折により求め.その手順に従って実際に締め付けた結果,ばらつきは最大3%程度であった.以上の結果から,金属ガスケットを使用した場合については,ボルト軸力のばらつきと最終的にボルト軸力を一様にするための締め付け手順を数値解析から求めることが可能となったといえる. 2.管フランジが外力を受けた場合の力学的特性の評価 管フランジのシール性能評価を目的として,管フランジ締結体が長手方向に引張り荷重を受けた場合,内圧を受けた場合,両者を同時に受けた場合について数値解析と実験を実施した.その結果,引張り力を受けるとボルト軸力は単純に増加するが,内圧を受けるとボルト軸カは一度低下した後再び増加し,その後漏れ始めることを明らかにした. 3.ボルト締め付け時の弾塑性拳動 近年管フランジに限らず,小型軽量化の目的からボルト締結体は高強度ボルトを使用して高い軸力で締め付けられる傾向にある.ここでは,ボルト締め付け時にねじ谷底を中心として塑性変形がどのように進展し,さらに締桔体の力学的特性にどのように影響するかを体系的に明らかにした. 4.接触熱抵抗の評価式の確立 管フランジが高温あるいは低温環境で使用される場合,あるいは内部流体から熱負荷を受ける場合のシール性能を評価するためには,管フランジまわりの温度場を正確に求める必要がある.その基礎データを提供することを目的として,サーモグラフィーを用いた実験装置により一般的な工業材料に対して有効な接触熱伝達率の評価式を提案した.
|