研究期間は2年間であり、本年度は、実験を主体とし、種々の金属材料を用いて、粒子衝突条件を変化させ、実験データの蓄積を行った。また、以下に示すような各種金属のエロージョン特性やエロージョン摩耗メカニズムについて検討を行った。 1)粒子の衝突角度が変化した場合と衝突速度が変化した場合の各種延性金属材料のエロージョン特性 2)エロージョン表面に加工硬化層や薄片の重なった状態が形成され、それらが表面から剥離脱落する摩耗メカニズムの解明 3)エロージョン表面に形成された硬化層の深さとエロージョン挙動の関係 4)エロージョンと材料の機械的性質の相関関係 この様に、研究は今年度蓄積したデータとそのデータから得られたエロージョン特性や摩耗メカニズムの解明などをベースにして、来年度は材料特性の異なる材料に対して追加のエロージョン実験を行い、さらにデータを蓄積することにより 1)材料のどんな特性がエロージョン率とより一層の相関関係があるかを明確にし、 2)エロージョンに関与している関係因子(ex.粒子衝突角度や速度及び粒子形状など)が変化した場合に、1)の結果にどのような影響を及ぼすかを明らかにする。 これらの研究成果は、大変な労力と費用のかかる実験を行わなくても、エロージョンの発生する装置の寿命予測を可能にしてくれる。
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