| 研究概要 |
高速で一体回転する内,外2重構造の軸対称容器内のすきまに微量の貫流を加えた場合,つまりエクマン数とロスビー数が極めて小さい場合に形成される軸対称のエクマン層,スチュワートソン層,内部領域および剛体回転領域からなる準剛体回転流において,壁形状ならびにソース・シンクの任意設定によって粒子運動を自在に制御する方法について理論的および数値的に考察し,以下の点を明らかにした.
1.壁形状の任意設定による粒子運動制御について
まずスチュワートソン層の流れ特性と壁形状の関係について理論的に明らかにするため,任意の傾きをもつ壁形状に対して発生する壁面スチュワートソン層および自由(壁面に接しない)スチュワートソン層流れの理論解を特異摂動法により導出し,壁の傾きが流速分布に及ぼす影響を明らかにした.今後は,この流れ場に希薄濃度で存在する微粒子の運動方程式の理論解を導出して,壁形状による粒子運動の制御法について考察する予定である.
2.壁にソース・シンクを任意に設定することによる粒子運動制御について
壁面スチュワートソン層に接する壁面に垂直にソース流れを加えた場合,および半径の異なる2つの壁面に生じる壁面スチュワートソン層の間に壁面に垂直にソース流れを加えた場合,ならびにエクマン層に対して回転軸方向からソース流れを加えた場合について,粒子運動方程式の数値シミュレーションを行い,上記の各ソース流れが粒子運動に及ぼす影響を明らかにした.
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