研究課題/領域番号 |
11650174
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
梶島 岳夫 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (30185772)
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研究分担者 |
太田 貴士 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助手 (10273583)
辻本 公一 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助手 (10243180)
三宅 裕 大阪大学, 大学院・工学研究科, 教授 (50029005)
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キーワード | 乱流 / 混相流 / 混相乱流 / 固気ニ相流 / 直接数値シミュレーション / 数値流体力学 / 固体粒子 / 流体抵抗 |
研究概要 |
固体粒子を含む乱流場の大規模渦の数値シミュレーション(LES)においては、サブグリッドスケール(SGS)の乱流モデルと粒子運動の支配方程式の確立が不可欠である。本研究では、研究代表者らが開発した直接計算(DNS)コードを基盤として、乱流場における粒子運動とそれが乱流に及ぼす影響を検討するため、従来型の静的な流れ場で確立された運動方程式ではなく、乱れの中での粒子の運動方程式、格子スケールの渦やSGS渦との相互作用モデルを解明することを目的とした。3項目の実施計画について、本年度の研究成果は以下の通りである。(1)固気ニ相乱流のDNSでは、並列計算による高速化・大規模化を実施し、一様乱流および平板間乱流の計算結果をデータベース化した。高レイノルズ数で運動する粒子を含む場合には、粒子群の形成に関しては、不完全弾性衝突や特定の渦領域への集積よりも、粒子が先行粒子の後流にトラップされることによるクラスター化が重要であることを見いだし、その形状・スケールを示した。(2)粒子運動の履歴項と変動項の検証においては、急激に変化する流れ場ならびに指定したスペクトルの変動を含む流れ場の中におかれた物体周りの非定常流れを解析した。計算結果から、バセット項モデルの時間スケールの評価、変動流による剥離点と造波抵抗の変化による抵抗増減を調べているが、質点運動のモデリングにはなお広範なパラメータでの計算が必要である。(3)乱流変調の解析においては、固体粒子が乱流中を非定常渦放出しながら運動する場合の直接計算を行った。粒子仕事の約20%が後流乱れとして乱流エネルギーに供給されること、一方、平均粒子間隔に相当するスケールを境として大スケールから小スケールへのエネルギースペクトル分布が変化し散逸的な構造になることを示した。
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