本研究は、羽根車外径が数ミリ程度から50ミリ位までをミニポンプと呼ぶことにし、そのようなミニ・ターボポンプの高性能化と実用化を図るための基礎を構築しょうとするものである。そのため、以下に示すポンプ羽根車の流体工学的な新設計指針の妥当性を実験と数値解析の両面から検討している。 (1)半開放形羽根車。(2)羽根枚数は多く、出口角は大きくする。(3)相対速度の減速による反動度の増加を期待しない(出口面積/入口面積<1)。(4)高速化する。 これらを満たす34ミリの遠心羽根車(比速度:330)を用いた性能試験等から次の成果が現時点で得られている。 1.ポンプ内部効率62%(ポンプ効率54%)が運転点φ=0.24において得られた。そのときのヘッド係数はψ=0.94である。 2.4000rpm以上の運転状態で相似則がほぼ成立する。この回転数はレイノルズ数1.2×10^5に相当するので従来の10^5付近以下にすると流体性能低下が著しくなるという説明と対応する。 3.実験結果から滑り係数を推定したところ0.9を越える値が求められた。設計指針に沿うと捉えることもできるが、今後更に検討する子定である。 4.出口角50°としたために、流量係数φ=0〜0.08で不安定特性(右上がり特性)が現われた。この改善法としてポンプ出口流れの一部を吸込み管にバイパスさせる方式を実験的に調べ、その可能性のあることを確認した。
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