研究概要 |
容器内の微粉末に縦振動を与えたとき,粉体層の容器壁面での空気圧の測定,粉体層の運動および粉末の開口部からの噴出状態を調べた.また粉体層を多孔媒体とした一次元解析モデルにより容器と粉体層の相対運動と層内部を透過する空気流の連成解析を行い,容器内部の圧力変化について実験と比較した.実験は内径50mm,高さ180mmの透明アクリル製円筒容器内に粉末を充填し加振装置により垂直振動を与えることで行った.容器上部および下部の圧力取出し口につないだ差圧変換器により粉体層容器壁面の下部および上部の空気圧力を測定した.振動状態は振動制御器により振幅及び周波数を制御し,レーザー変位計によって各瞬間の容器変位を測定した.周波数は30から90Hzの間で,振幅は2mmまでの範囲で変化させた.容器は密閉可能とし,大気開放と密閉の両条件で内部流動状態等を調べた.更に容器下部に取り付けたオリフイスから粉体の噴出実験を行い,圧力のサンプリングと同期させたハイスピードビデオカメラにより噴出状態を撮影し,内部圧力変動と粒子噴出の関連性を調べた.使用した粒子は平均径445μmのガラスビーズと20μmの珪藻土である.粉体層は振動強度が1を越えると容器底部から離れて跳躍運動を行った.隙間の体積の変化により空気圧が変化した.珪藻土では2000Pa程度の圧力上昇があり,噴出実験では珪藻土は圧力変動にほぼ同期して間欠的に噴出した.しかしながら,ガラスビーズでは噴出は見られなかった.
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