研究概要 |
1.乱流中の速度と圧力を精度良く計測する速度・圧力同時計測プローブを開発した.圧力プローブは,従来の研究成果を考慮して,外形1mm,内径0.8mmのステンレス管に4ヶの小孔(直径0.8mm)を設けた静圧管にコンデンサマイクロホンを接続した構造とし,先端部の形状と寸法はクロスフロー誤差が小さくなるようにした.X型熱線プローブのセンサー部中心と圧力プローブ表面の間隔は,両プローブ間の干渉が無視できる2mmとして,両プローブを組み合わせた速度・圧力同時計測プローブを製作した.同時計測プローブは円柱後方の周期的変動流中で検定され,2kHzまでは計測精度が十分であることを確認した. 2.計測システムは,コンピュータ制御による三次元移動装置に同時計測プローブを取り付けて構築し,完全な自動計測を可能とした.データ解析コンピュータシステムでは,2方向速度と変動圧力の同時信号を大量に記録し高速で処理することが可能なハードウェアとソフトウェアを構築した. 3.格子乱流中の計測により,乱流計測における同時測定プローブの有効性を確認した後に,噴流計測を行った.長方形および円形噴流中の速度と圧力の測定結果により,渦度場と圧力場の関連性,乱流エネルギ収支を検討し,速度と圧力の同時測定は乱流構造解明に有用な情報を提供することを確認した.とくに,従来不明であった乱流工ネルギー輸送方程式中の圧力拡散項を直接実験データから求めたことは,乱流モデルの構築などに貢献し,本研究の重要な成果である.
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