研究概要 |
この研究では衝撃波構造の挙動を解明するために,非対称ノズルから噴出される超音速噴流中に発生する擬似衝撃波の構造とその挙動の解明を行っている。非対称ノズルから噴出される超音速噴流は,一個の非対称ノズルからの単一噴流の場合と2個の非対称ノズルの中心軸間の距離を変化させて,平行に噴出させた場合の噴流が干渉する擬似衝撃波構造の解明を行っている。いずれの場合も,噴流中の圧力分布,マッハ数分布を調べるとともに,擬似衝撃波をシュリーレン法で可視化している。可視化された写真を画像処理して,擬似衝撃波の長さの計測および噴流の偏角の計測を行っている。単一の非対称ノズルでは,ノズル出口部を直角に切り落とした90°のノズルと出口角度を中心軸に対して60°,45°,30°にした場合のノズルからの衝撃波構造を調べている。その結果、噴流は圧力の違いによって偏角し,圧力の大きいものほど偏角が大きくなる。また,出口角度の鋭い30°のノズルから噴出される噴流が最も大きく偏角し,衝撃波構造に大きな違いが見られた。2個の非対称ノズルから噴出される超音速噴流の干渉特性については,ノズル出口角度が45°の2個のノズルを切り口面を向かい合わせて,その軸間距離がノズル直径の4倍と6倍の場合について,よどみ圧力を変化させて衝撃波構造ならびに2噴流の干渉の影響を調べた。また,ノズル出口角度が60°のものについても同様の条件で実験を行った。その結果,切り口角度45°の方が60°のものよりも偏角は大きく現れ,また,ノズルの軸間距離の小さいものの方が2噴流の干渉の影響が大きく現れることがわかり,噴流の衝突後に衝撃波構造は,消滅しやすい傾向が見られた。
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