研究分担者 |
田畑 隆英 鹿児島工業高等専門学校, 機械工学科, 助教授 (50290846)
江崎 秀司 鹿児島工業高等専門学校, 機械工学科, 教授 (40185111)
李 輝 鹿児島大学, 工学部・機械工学科, 助手 (00253906)
椎 保幸 鹿児島工業高等専門学校, 機械工学科, 講師 (30270391)
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研究概要 |
本研究は,円筒形流路に旋回噴流が流入した場合に旋回噴流が流路壁面側への移動に伴って流れが偏向する現象を実験的に調べるものである.実験では,その一端を閉じたアクリル樹脂製円管内に旋回噴流を流出させて,定温度形熱線流速計システムとI型熱線センサーにより旋回噴流の流速を計測した.このとき,前年度までに自作したノズル部に案内羽根をもち,この角度を変更することによって旋回強さが種々,変化させられる旋回噴流発生装置を用いた. 案内羽根の角度と旋回強さとの関係をあらかじめ把握しておくために,円筒形流路を取り外して,旋回自由噴流とした場合の速度分布を計測した.そして,案内羽根と旋回強さの関係を得た.このような予備情報をもとにノズル部中心と流路軸心とのずれ,すなわち偏心量や旋回強さを種々,変化させて実験を行った.そして,旋回噴流の噴流中心線を追跡することによって壁面側への旋回噴流の偏向を調べた.この様にして得られた結果を用いて,旋回噴流と流路との偏心量,および旋回強さが噴流の偏向に及ぼす影響について検討した.本年度得られた結果の主なものは以下のとおりである. (1)旋回噴流が流出するノズルが円筒形流路軸心から偏心して設置された場合,噴流周囲からエントレインメントの不均一性から生じる一種のコアンダ効果により,旋回噴流は流路側壁へと偏向する現象が認められる. (2)旋回噴流の偏向現象は,偏心量がある値になると,これに関係なく互いに相似な流動状況になる. (3)かなり偏心量が大きくなると,偏向現象は次第に弱くなる.
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