研究課題/領域番号 |
11650200
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研究機関 | 室蘭工業大学 |
研究代表者 |
戸倉 郁夫 室蘭工業大学, 工学部, 助教授 (00002931)
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研究分担者 |
鈴木 淳 室蘭工業大学, 工学部, 助手 (20241408)
岸浪 紘機 室蘭工業大学, 工学部, 教授 (10002891)
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キーワード | 液体泡沫 / 強制対流 / 非ニュートン流体 / 熱伝達率 / 気液二相流 / 円筒伝熱面 |
研究概要 |
申請書に記載したとおり、室温の液体泡沫を矩形流路内に流動させ、円筒伝熱面を用いて熱伝達率を測定する実験を行った。実験データの収録のために、直流アンプ、零接点温度補償器、AD変換器、また、熱伝達の解析のためにパーソナルコンピュータを新規購入した。 本年度は、伝熱面温度が100℃以下の領域の熱伝達実験を行い、(1)伝熱面温度、(2)泡沫の気液比、および(3)泡沫の流速 が熱伝達率に及ぼす影響を調べた。その結果、伝熱面温度が約40℃以下では、熱伝達率は条件によって異なる一定値を示し、加熱による変化は小さいことが分かった。また、伝熱面温度が約50℃以上になると、熱伝達率は温度の上昇とともに増加して行き、特に100℃に近づくほど急激に増大する結果となった。これは、熱面温度が高くなるほど、泡沫の気泡(空隙)内を水蒸気拡散によって移動する潜熱量が増加するためと考えられる。さらに、熱伝達率は、泡沫の速度が大きいほど、また、液体含有量が多い泡沫ほど高い値を示すことが分かった。これらの実験より、水ー空気系泡沫の熱伝達率は、水および空気の単相流に対する値の中間の値を示すことが確認された。したがって、泡沫を、水冷と空冷の中間の冷却速度を得るための冷却媒体として使用可能であることが分かった。 科研費が追加で配分になったため、昨年11月から装置の製作にとりかかり、満足すべきデータが得られたのは2月に入ってからであった。本年度の成果は、来年度、第4回日・韓熱工学会議等に発表する予定である。
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