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2001 年度 実績報告書

傘状噴霧高温予混合ディーゼル機関の混合気形成と燃焼

研究課題

研究課題/領域番号 11650206
研究機関群馬大学

研究代表者

小保方 富夫  群馬大学, 工学部, 教授 (10107477)

研究分担者 志賀 聖一  群馬大学, 工学部, 助教授 (00154188)
キーワードディーゼル燃焼 / 予混合圧縮着火機関 / HCCI / 傘状噴霧 / トレードオフ / NOxとすすの同時低減 / 可視化 / KIVA
研究概要

ディーゼル機関は効率がよくエネルギーの有効利用とCO_2ガス排出の抑制の面からは高く評価されている.一方,排出ガス中のNOxとすすのトレードオフの問題は深刻であり,解決策を模索中である.その有力な候補として提案されている傘状噴霧燃焼システムは着火前に全燃料を噴射し,圧縮により高温となった空気により燃料を蒸発,拡散,混合させて予混合燃焼を行うものである.現在まで,低負荷領域ではよい結果が得られているが,実用化のためにはさらに高負荷領域の改善が要求されている.
本研究では,まず,レーザシートと高速度ビデを用いた可視化実験とKIVA-3Vモデルを用いた数値シミュレーションを行い,傘状噴霧のパターンを求めて数値モデルを検証した.また,位相ドップラ流速計を用いて噴霧の粒径,流速を求めた.さらに,噴霧特性と機関出力,排出ガス性状についてもシミュレーションを計画した.
次に,直接噴射式ディーゼル機関に傘状噴霧を用いた燃焼実験を行い,エンジン特性と排出ガス特性を評価した.燃焼実験は機関回転数1250〜2000rpm,空気過剰率2.1〜6.9,噴射時期150°BTDC〜2°ATDCの範囲で実験を行い,以下の結果を得た.
(1)傘状噴霧の形状は、雰囲気圧力の影響を受けやすく,高い雰囲気圧力において噴霧は小さくまとまる.数値計算でも可視化と同様な形状が得られた.また,噴霧のPDA測定で,SMDの値が十分小さいことが分かり,壁面付着は少ないが,拡散が不十分であることが予想された.
(2)燃焼実験からNOxとすすを同時に低減できる領域が確認でき,λ=3.1では,燃料噴射時期65°BTDC以前で,λ=2.5では75°BTDC以前のときにNOxとすすがほぼゼロとなる.また,機関回転数を変化させてもほぼ同じλの運転領域を持ち,高い機関回転数が,NOxとすすの抑制に有効である.
(3)今後の継続実験で燃焼室、空気流動、そして噴霧特性の最適化を行い,排出物特性を維持しつつ,燃料消費率の改善について検討する必要がある.

  • 研究成果

    (7件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (7件)

  • [文献書誌] Yang, X., Okajima, A., Obokata, T., Long, W.: "Comparison of Computed and Measured High-Pressure Conical Diesel Sprays"SAE(Society of Automotive Engineers) Transactions, Journal of Engines, Paper No. 2000-01-0951. 2001. 1-10 (2001)

  • [文献書誌] 小保方富夫: "レーザ計測マイクロ化の限界と挑戦"日本ガスタービン学会誌. 29・4. 255-261 (2001)

  • [文献書誌] 小保方富夫: "群馬大学工学部エネルギーシステム工学第2研究室"可視化情報. 21・82. 35-36 (2001)

  • [文献書誌] 江黒陽介, 松田智之, 小保方富夫, 石間経章, 志賀聖一, 劉伝李, 楊笑風, 村上顕, 隆武強: "傘状噴霧予混合燃焼方式ディーゼル機関の噴霧・燃焼特性"自動車技術会論文集. (印刷中).

  • [文献書誌] T. OBOKATA, T. ISHIMA, S. SHIGA, 他5名: "Characteristics of Premixed Combustion Type Diesel Engine Using Hollow Cone Spray"ASME Transactions, Journal of engineering for gas turbine and power. (印刷中).

  • [文献書誌] 志賀聖一, 小保方富夫: "レーザ計測法の燃焼基礎研究への応用"自動車技術. 55・3. 45-51 (2001)

  • [文献書誌] 小保方富夫(分担): "アトマイゼーションテクノロジー, 分担:粒径の光学的計測法"日本液体微粒化学会編, 森北出版. 300 (2001)

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公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

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