研究課題/領域番号 |
11650214
|
研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
木村 繁男 金沢大学, 工学部, 教授 (70272953)
|
研究分担者 |
木綿 隆弘 金沢大学, 工学部, 助教授 (40225107)
上野 久儀 金沢大学, 工学部, 教授 (80019752)
岡島 厚 金沢大学, 工学部, 教授 (80013689)
|
キーワード | 相変化 / 自然対流 / 連成熱伝達 / 対流熱伝達 / レイリー数 / ヌッセルト数 / 数値解析 / 流れの可視化 |
研究概要 |
凝固過程は種々の自然現象や工業プロセスにおいて広く見られる物理現象である。本研究では特にその動的挙動に着目し、凝固が進行するときのプロセス(固化領域の厚さ)を制御するための知見を得ることを目的としている。凝固過程の制御とは冷却面温度の制御により如何に凝固厚さの制御が可能であるかを明らかにすることである。本年度は深さ約18cmの容器に水を満たし、上方より冷却した場合の氷の生成過程について検討した。容器の下方壁面は8℃で一定温度に固定し、容器の上方壁面温度を0℃以下の温度で変化させた時の氷厚さの時間に対する変化を実験的、理論的に調べた。その結果以下のことが明らかとなった。 (1)冷却壁面温度が、ある凝固点以下の平均温度の周りで一定温度振幅で振動する場合、その振動数が増加すると氷厚さの変動量は小さくなり平均温度に対応する氷厚さに漸近して行く。 (2)氷厚さの変動は冷却面温度変動より遅れて現れ、その位相遅れは氷厚さの一乗に比例して増大する。 (3)液相内での自然対流を感温液晶を用いて可視化し、その温度場の様子から対流パターンが一セルまたは二セルの単純な対流であることがわかった。 (4)冷却壁面の温度変動が固相(氷)内でどのように減衰して行くかについて、非定常熱伝導方程式に基づき検討し、上記(1)および(2)の実験について理論的予測を行った。その結果、理論的予測が実験結果と定量的に一致することが確認できた。
|