研究概要 |
実用的に最も多く用いられている乱流火炎は,時間的および空間的に激しく変動し極めて複雑な構造となるが,この乱流火炎の時空三次元構造を精密科学的アプローチによる直接数値計算と,レーザ誘起蛍光法による計測を同時に行うことにより解明することを目的とした.直接数値計算では,厳密な流体力学と詳細な反応動力学から成る反応性ガス力学と,最新の乱流燃焼理論を駆使した精密科学的なアプローチによる非定常多次元の計算を行い,レーザ計測では,平面レーザ誘起蛍光法と超高速度ビデオカメラによる平面濃度場の時系列計測により,時空三次元測定を行う. 本年度は,直接数値計算については,数値計算手法の調査を行い,まず,高温場の燃焼器に適用できる実用的な三次元乱流火炎用の数値計算手法の調査を行い,独自のプログラムに改良を加えた.プログラムの修正と実行を繰返し,従来のコードで実行した問題を再計算し,計算結果を比較検討して,アルゴリズムの正確さやプログラムのバグの有無を調べた.レーザ計測については,レーザ計測手法の調査を行い,まず,平面レーザ誘起蛍光法と超高速度ビデオカメラによる各種化学種の平面濃度場の時系列計測に関する調査を行い,同軸噴流の乱流混合に関する独自の計測手法と比較検討した.計測システムは現有設備の燃焼装置(同軸噴流拡散火炎燃焼装置,同軸噴流非燃焼実験装置,Vガッタ保炎器燃焼装置),レーザシステムおよび超高速ビデオシステムを利用して新たに構築した.
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