研究概要 |
本研究では,水力相当直径1.0mm〜0.5mm程度の微細流路が複数並列に配置されたマルチチャンネル内で純蒸気が凝縮する場合の局所熱伝達特性及び圧力損失特性を実験的に解明し,超小型高性能凝縮器の開発に資することを目的としており,今年度は以下の成果を得た. (1)液循環ポンプ,蒸発器,クオリティ制御用凝縮器,凝縮テストセクション(水力相当直径0.73mmの矩形流路が19個並列に配置された長さ955mmのマルチチャンネル),過冷却器,液溜,高温熱源水タンク,冷却水タンク及びブラインタンクから構成される実験装置を製作した. (2)実験装置の基本特性を把握するため,微細流路からなるマルチチャンネル内での純冷媒HFC134aの液単相の圧力損失特性及び熱伝達特性を測定した.摩擦係数の測定値は,層流域では層流解析解と,乱流域ではColburnの式と±約20%の誤差範囲内で一致した.局所熱伝達係数の測定値は,その測定精度は単相では伝熱量が小さい為余り良くないが,従来の相関式(層流域では速度場,温度場のいずれも十分発達した場合の解析解,乱流域ではGnielinskiの式)と概ね一致した. (3)微細流路からなるマルチチャンネル内での純冷媒R134aの凝縮に関して,まず,冷媒流れ方向の圧力分布を予測する方法を確立するために,出口クオリティ及び冷媒質量速度をパラメータとした実験を行い,圧力分布を簡便に予測する相関式を作成した.現在,圧力分布の予測式を用いて,凝縮熱伝達に関する実験結果の整理を行っている段階である.
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