研究課題/領域番号 |
11650258
|
研究機関 | 岐阜工業高等専門学校 |
研究代表者 |
熊崎 裕教 岐阜工業高等専門学校, 電気情報工学科, 助教授 (70270262)
|
研究分担者 |
羽根 一博 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (50164893)
稲葉 成基 岐阜工業高等専門学校, 電気情報工学科, 教授 (30110183)
|
キーワード | 光学センサ / 石英コア振動子 / 共振特性 / 戻り光 / 振動検出 / グレーティングファイバ / 微細加工 |
研究概要 |
振動型光ファイバセンサ(光ファイバを微細加工して製作した石英コア振動子の共振特性の変化から振動子周囲の物理量を測定する)では、振動子からの戻り光を用いて検出できる共振周波数に限界があった。そこで、グレーティングファイバから石英コア振動子を製作することについて、検討を行った。 まず、マルチモード(GI型)について実験した。製作した石英コア振動子の長さは2.4mm、直径は32μmである。回折格子を内蔵した石英コア振動子からの戻り光を用いた場合、共振点は検出できたものの従来の振動子とは異なる特性を示した。共振点以外の周波数でも振幅の変化があったこと、また、共振点では振幅の低下があったこと、の二点である。グレーティングの反射波長λはλ=2nd(n:コアの屈折率、d:格子間隔)で示され、n、dともに温度に依存する。nの温度係数が9.O×10^<-6>[/℃]であるのに対しdの温度係数は5.4×10^<-7>[/℃]であるので、λにはnの温度依存性がより大きく影響する。励振用レーザ光がCr蒸着面で吸収され光熱振動を生じると同時に、コアの屈折率も変化する。周波数が高くなると励振用レーザ光の強度変調周期が短くなり、オン、オフの際にCr蒸着面で生じる温度差が減少する。それによって屈折率変化も小さくなり、結果的に振幅が減少したものと考えられる。 次に、シングルモード(SM)のグレーティングファイバについて、実験した。製作した石英コア振動子の長さは1.1mm、直径は9μmである。一般的なシングルモード光ファイバから製作した振動子の場合、振動子からの戻り光を利用する方法では、共振曲線を採取した実績はない。シングルモードの場合、振動子からの戻り光量、最終的にはその変化量が小さいことが起因しているものと考えられる。それに対し、グレーティングを内蔵した振動子では、半値幅の測定は不可であるものの共振点の検出は可能になることが確認された。
|