研究課題/領域番号 |
11650264
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
中沢 賢 信州大学, 繊維学部, 教授 (90021138)
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研究分担者 |
松本 陽一 信州大学, 繊維学部, 教授 (50021176)
鳥海 浩一郎 信州大学, 繊維学部, 教授 (40016374)
河村 隆 信州大学, 繊維学部, 講師 (70242675)
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キーワード | 紡績 / 糸 / 張力制御 / ファジー制御 / 撚り / ガラ紡 / ロボット / 手紡ぎ |
研究概要 |
近年特殊原料を混紡して特殊な機能を賦与した紡績糸が求められる様になっている。また、省資源、環境保全の一環として、筆者等は廃棄布の繊維としての再利用が必要と考えているが、それには反毛(布をくずしてバラバラの繊維にすること)された原料不明の粗悪な繊維塊より再生糸を紡ぐことが求められる。しかし、現在産業の現場で使われている紡績機は、産業革命以来均質な糸を大量に生産するために改良が重ねられてきたもので、上記の要求を満たすことはできない。こうした要求を満たすのは産業革命以前に使われた糸車式手紡ぎである。この紡績法は粗悪不均質な原料の紡績が可能であるとともに、極度の多品種少量生産が可能である。要求される特殊機能糸には多品種少量生産が求められるので、きわめて好都合である。こうした発想より、手紡ぎの原理を応用した紡績装置すなわち手紡ぎロボットの開発を行っている。 本年の研究においては、特に原料把持部から供給される繊維束の断面が偏平であるモデルを対象に、力学的制御学的な解析を進めているが、実験結果はその理論の妥当性を立証している。筆者等は従来より、日本において1708年に発明されたガラ紡と呼ばれる紡績機械の制御構造に注目して研究を行ってきたが、それが手紡ぎと力学的制御学的な面で類似していることに着目し、それに関する知見も参考にして、手紡ぎの原理による糸紡ぎ装置を製作した。本機では加撚速度(形成中の糸に撚りを加える速度)、延伸速度(形成中の糸を牽引する速度)を操作量、形成中の糸の太さと張力を計測量として太さを制御対象にファジー制御を行った。その結果張力、太さいずれの制御でも連続して紡績が可能であることが実証された。
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