研究概要 |
本研究の目的は,複数の移動ロボットが遠隔地(例えば火星など)を走行する際,人間(オペレータ)がそのうちの一台を選び出し,それを離れたところから円滑にそれを操縦するシステム(ハード・ソフト)についての技術開発である.さて今年度は, (1)複数の移動ロボットが衝突を回避し自律的に目的地へ到達するアルゴリズムを,オンライン(センサベースト)パスプランニングの観点から研究した.特に,複数のロボットのうち1台を遠隔地から操縦したとき,その他のロボットが決してそれに衝突せずスマートに回避してくれるよう,従来のオンライン(センサベースト)パスプランニングアルゴリズムを改善した. (2)オペレータ側と遠隔地側の通信は大きな時間遅れ(火星の場合は数秒)をもたらすので,オペレータは過去の状況を見て未来の状況を想像しながら操縦せざるを得なくなる.しかし,これでは快適な操作感は得られない.そこで,この問題を解決するため,オペレータの傍らに3次元グラフィックスシミュレータを設置し,その中で過去のロボットの状況から未来のロボットの状況を予測し,その仮想状況をディスプレイで眺めながら遠隔地のロボットを操縦するようにした. (3)3次元グラフィックスが提示する状況(すなわちオペレータ側の状況)と実際の状況(すなわち遠隔地側の状況)を常時比較し,もし誤差などの影響でそれらが一致しなければ実際の状況から予測シミュレータを再起動し,正しい遠隔地の状況を提示する. 最後に,これらの結果は既にいくつかの国際会議等で発表し,今後論文にしていく予定である.
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