研究概要 |
本研究は,平成11年度から3カ年に亘って遂行し,以下の研究成果を得た。 1.リング形状金属磁石の形状設計 従来の研究成巣で得られたリング形状金属磁石の寸法・出力データを基礎として,大出力化した磁気アクチュエータの形状設計を行った。 2.アクチュエータの試作と単体評価 設計したアクチュエータの試作を行い,アクチュエータの回転運動・往復直線運動の変換効率の評価を行い,これが70〜90%程度であることを明らかにした。 3.ポンプの試作 試作したアクチュエータを適用したポンプを試作し,ポンプとしての出力動作を評価した。この時,一定回転駆動と階段波駆動による出力特性を比較し,後者の駆動方式の優位性を明らかにした。 4.ポンプ試験装置の性能向上 人の循環器系を模擬したポンプの出力特性評価試験装置において,圧力および流量の瞬時値を計測可能とする計測システムを構築した。 5・磁気式アクチュエータの形状設計支援プログラムの制作 金属磁石による磁界分布をパソコン上で計算できるプログラムを制作した。これにより,金属磁石の形状とアクチュエータに発生する磁気力との関係を解析した。 6.アクチュエータ駆動用電磁石の製作 アクチュエータに駆動磁界を印加するための電磁石の製作を完了し,その基礎特性を実験で確認した。 7.アクチュエータ出力向上を目的とした磁石ヨークの検討 本アクチュエータの機構上,金属磁石に隣接させるヨークの磁化特性がアクチュエータの磁気力を左右させ,その結果としてこれがアクチュエータ出力を決定する要因の一つとなっており,珪素鋼飯を含む複数のヨークに対して,最もアクチュエータ出力が得られるヨークを決定した。 8.アクチュエータ出力向上を目的とした磁石寸法設計法の確立 アクチュエータによって駆動されるポンプのシリンダ行程およびシリンダへの電磁力仕様から,金属磁石の内径寸法を決定するアルゴリズムを構築した。
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