研究課題/領域番号 |
11650292
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研究機関 | 宮崎大学 |
研究代表者 |
本田 親久 宮崎大学, 工学部, 教授 (20037881)
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研究分担者 |
辻 利則 宮崎公立大学, 人文学部, 講師 (00254657)
成 烈ぶん 宮崎大学, 工学部, 助手 (50304837)
大坪 昌久 宮崎大学, 工学部, 助教授 (90041011)
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キーワード | レーザー誘雷 / レーザー生成プラズマ / 電界分布 / シュタルク効果 / 高速周波数掃引レーザー / レーザー蛍光法 |
研究概要 |
送電線の停電事故の大半は落雷によるもので、最近の高度情報化社会では,瞬間的な停電でも大きな影響を受けるようになってきた。そこで落雷の被害を防ぐ方法として、最近、レーザー誘雷の研究が注目されている。これはレーザー光を集光してプラズマを作り、そのプラズマで誘雷鉄塔から上空に向けて導電性のリーダーを作り、上空の雷を誘導して誘雷鉄塔に落雷させるものである。しかし、誘雷鉄塔からリーダーをどのように自発進展させるかが大きな課題となっている。そのためには、誘雷鉄塔上部空間における電界を詳細に知ることが非常に重要である。本研究の目的は、まず、大出力の炭酸ガスレーザーで10m級のプラズマチャネルを上空に作り、それから数10μs遅らせて高速周波数掃引色素レーザー光をプラズマチャネルに同軸的に入射し、そこから出てくるアルゴル原子の蛍光を望遠鏡で観測して、その信号から空間各点の電界の分布を非接触で測る方法を開発することである。そこでまずその第一歩として、放電容器内に圧力10〜30Torrのヘリウムガスを入れて、平板電極間に直流グロー放電を起こさせ、レーザービームを電極間に入れ、波長.321nm付近で波長を掃引し、電極間の光ガルバノ効果による信号の変化を観測した。その結果、陰極近傍の電界の強いシースの部分で波長スペクトルがシュタル分裂し、陰極に近づくにつれて大きなシフトが起こることを確認した。このシュタルクシフト量と理論値を比べることにより、圧力が20Torrのときシースの厚さが約2mm、電界が陰極表面で約300V/mmであることが分かった。今後は、アルゴンガスの蛍光信号を得て、レーザー生成プラズマによる電界計測を実証する予定である。
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