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本研究の最終年度である平成13年度は、商用電力系統に連系される太陽光発電システムの一層の普及促進を目的として、1)システムの簡単化によるコスト削減策、2)多機能化による付加価値の、付与策、の両面からシステムを検討し、最大電力点追尾(MPPT)制御の新方式を2件、低EMI(電磁ノイズ)化を実現するソフトスイッチング方式コンバータの新回路・制御方式を1件、それぞれ電気学会論文誌、IEEE等の国際会議に発表することができ、本研究を締めくくるに十分な成果が得られた。
「電力平衡に基づくMPPT制御方式」については、システムの電力平衡を利用し制御系内部の信号であるインバータの出力電流指令の振幅値I_<peak>*を最大化することで最大電力点追尾制御が行えることを示した。屋根の上に設置される太陽光発電システムを想定してパラメータを設定し、シミュレーションと実験を行い実用的な応答速度が得られることが明らかとなった。
「リミットサイクルによるMPPT制御方式」については、従来から多く用いられている山登り法を排除した、新しい動作原理に基づく最大電力点追尾制御方式を提案した。その方法は、システムの電力平衡/不平衡の境界点で発生する自励発振現象であるリミットサイクル動作を利用したものである。リミットサイクル発生の確約条件を明らかにした。屋根の上に設置される太陽光発電システムを想定してパラメータを設定し、シミュレーションと実験を行い実用的な応答速度が得られることが明らかとなった。
「空間ベクトル変調によるソフトスイッチングコンバータ」については、トランスの小形軽量化が可能で電力変換段数も少ないという利点のあるサイクロコンバータ方式の高周波リンクDC/ACコンバータの回路構成と制御法を明らかにした。三相商用系統への連系を目的として、空間ベクトル変調法に自然転流を考慮したスイッチングパターンを決定する方法を提案した。更にPSIMによるシミュレーションおよびDSPを用いた実験装置により、提案した変調方式で適切なスイッチングパターンが得られることを証明した。
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