独立型システムの場合、バッテリーへの充電をいかに効率よく行うかが、システム設計上重要な問題となる。そこで、本年度は、太陽光発電で一部のパネルに部分影が生じたときでも、極力多くの発生電力を充電できるように、直列接続した各太陽電池パネル毎に並列接続したバッテリーを直列に接続して、各々独立して充電する方式を検討した。その結果、部分影の大きさによって、従来方式に比べて約1〜2倍良くなるという結果が得られた。次に、個々に充電するというこの考え方を風力・太陽光のハイブリッドシステムへ適用することを検討したところ、両発電ともに良い状態のときに従来方式より約1.2倍多く充電できるという結果が得られた。この成果は、今後ハイブリッドシステムを普及させていく上で重要なポイントになるものと思われる。 また、新たに1kW程度のミニ水力発電の有効性を確認するため、上高地にある日本山岳会山岳研究所で、実用化のためのモデル実験を行った。今年度は、安定した電力を得るために、取水口から入る砂やゴミを除去する対策法について検討した。二段階の対策を施したところ、大雨が降らない限り安定した水量を確保することができ、夜間も含めて常時運転を可能にした。 以上のような成果を今後論文誌などで発表していく予定である。
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