研究概要 |
エネルギー・環境問題の重要性が一般には充分に認識されているとは言い難い。教育面でもこれらの問題に関して講義・解説だけでなく実験を行うことが効果的であると考えられる。 このような状況から、環境問題をも考慮した新エネルギーに関する教育実験設備の開発に意義を認め、本研究を計画した。研究の進め方としては、学生と討論して積極的にその提案を受入れた。 その成果を以下に述べる。 (1)本校電気工学科2年生の実験テーマの一つに、太陽電池パネルの基本特性(太陽光とパネル面の角度に対する電圧・電流の依存性)を調べる実験を組み入れた。 (2)さらに学生の興味を惹くことを期待して、太陽追尾装置を製作した。この装置で、等しい面積の固定形パネルに対して1.4倍のエネルギーが得られている。 (3)オープンハウスの際の、小中学生を主な対象にした1人乗りのソーラーカーを製作し、展示・試乗等を行って好評を博した。 (4)環境問題の教育用に、排ガスのNOx,SOx除去,酸性雨の分析等を計画した。前者に関して、実績のある岩手大学・工学部に情報を求めるとともに、その研究に参画してガスの分析・反応過程を検討を担当することになった。また、四重曲質量分析計を用いた排ガス・雨水等の分析用教育装置を製作したが、その機能は充分ではなく改良が必要である。 (5)水素エネルギーの利用をテーマにした学生実験装置として、水を電気分解し、発生した水素をパラジウム合金幕を用いた精製装置で純化して貯蔵する装置を製作した。 これらの教育効果を確かめることが残された課題である。
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