| 研究概要 |
1.研究の目的 風速に応じて風車速度を最適速度に変動させる可変速風力発電システムは、年間発電量が増大する可能性を持つ。我々は、可変速発電システムにおける有効な電力制御法として、発電機出力を風車軸速度の3乗に比例させる制御法を提案している。本研究はその制御法における動的な特性を実験的に調査し、本制御法の有効性を明かにしようとするものである。
2.平成11年度の実績 平成11年度は上記目的を達成するため、模擬風車系および発電系の実験システムを構築した。ハードウェアの構築は完了し、制御ソフトウェアは模擬風車系は完了、電力制御系は次年度に継続する。また、実験システムの構築とは別に以下の制御方式の提案を行い、コンピュータシミュレーションにより、有効性を確認している。
(1)軸速度センサを不用とする出力制御方式の提案
速度3乗則で風車出力を制御する場合、風車軸速度を知る必要がある。本提案は軸速度センサを不用とするもので、本方式の実用化によりシステムの経済性および信頼性が向上する。
(2)風車ピッチ角制御と電気的出力制御を併用した過風速対策制御の提案
定格以上の風速で運転されている場合でも、本提案により、システムへのストレスを軽減した制御が可能である。
3.平成12年度における研究予定 可変速システムの速度3乗則に従った電力制御方式の実験的検証を完了させる。さらに上記(1),(2)の追加提案につき実験的検証に着手する。
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