研究課題
基盤研究(C)
フライホイールエネルギー貯蔵装置による安定化制御を実験的に検証するため7.5kWの特殊巻線型誘導電動機をモデル用サイリスタ変換器に接続し、サイリスタ変換器より発生する無効電力変動および負荷変動に付随した実効電力変動補償のシミュレーション実験を行った。高エネルギー加速器研究機構では比較的遅い繰り返しのパターン制御による電源の検討および比較的速い繰り返しの共振電源の検討を行った。また、近年急成長しているスイッチング電源におけるコモンモードインピーダンスの実測とシミュレーションによる解析によりパラメーターの同定を行った。第5回(1999年)と第6回(2000年)加速器電源シンポジウムにおいて、上記研究の各成果の報告を、その他の国内外の学会・研究会・シンポジウムに参加し発表や情報収集・意見交換を行った。電力安定化における先端的研究を行っている研究者を招いてセミナーを企画した他、大規模実用機としては世界的に希な200MJのフライホイール電源安定化装置を有する沖縄電力中城湾変電所、九州電力の行っている1MWモジュール型超電導エネルギー貯蔵装置における実証試験の視察、交流-直流-交流変換装置である新信濃周波数変換所の視察、若狭湾エネルギー研究センターの陽子線治療施設における電源安定化の実状視察を行った。大型ハドロン計画(高エ研-原研統合計画)ではフライホイールによる安定化が現実的であるとの知見を得ているが、高エネルギー加速器を擁する研究施設では超電導電磁石を用いることも多くヘリウム冷凍機等の設備を保有しているので、基盤設備建設を省力化できる点で超電導エネルギー貯蔵装置による補償も効果的と考えられるとの知見を得た。今後は各種エネルギー貯蔵装置による電源安定化の開発を進めると同時に、海外における実情調査を行う予定であり、新規に科研費基盤研究B海外学術調査を申請している。
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