本研究では、光コンピューティングに応用可能なフォトリフラクテイブ効果を有するチタン酸バリウム結晶を、装置が単純で不純物混入の起こりにくいレーザーアブレーション法を用いて薄膜化することでデバイス化の可能性をさぐることを目的に研究をおこなった。特に高品質な結晶薄膜を得るためにターゲットの焼結状態、基板温度、チャンバー真空度などがどのように影響を与えるかを探った。 アブレーション光源にはKrFエキシマレーザーを用い、圧粉体または焼結体のチタン酸バリウムに照射し、瞬間的に蒸発させ、蒸発物を対向するシリコン基板に堆積させた。堆積させた薄膜の膜質はX線回折計、エリプソメーター、及び走査電子顕微鏡で評価した。走査電子顕微鏡の観察結果からターゲット上へのレーザー照射強度約5J/cm^2のとき膜の平滑性、緻密性が向上できることがわかった。X線回折計、エリプソメーターによる測定結果からは基板温度は約600℃で結晶性が向上し、緻密で屈折率がさらに高く向上することがわかった。 さらにこのようにしてできたチタン酸バリウム薄膜からデバイス作製のために必要な要素技術の開発として、室温でミクロン精度で光導波路用のチャンネル加工、屈折率制御可能なオーバーコートなどの技術の検討も行った。その結果、チタン酸バリウム薄膜に適したフェムト秒レーザー加工技術、真空紫外光化学反応を利用したコーティング技術を考案しそれぞれ技術確立を行うことができた。
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