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2000 年度 実績報告書

気体に対する超音波流動現象の観察とマイクロマニピュレータへの応用

研究課題

研究課題/領域番号 11650341
研究機関千葉大学

研究代表者

橋本 研也  千葉大学, 工学部, 助教授 (90134353)

研究分担者 大森 達也  千葉大学, 工学部, 助手 (60302527)
山口 正恆  千葉大学, 工学部, 教授 (00009664)
キーワード超音波流動 / トランスジューサ / 圧電材料 / PZT / ゾルゲル / 高周波
研究概要

液体に対して強力な超音波を放射すると、その伝搬方向に液体の流動を生じる超音波流動現象が知られている。本申請者らは、数百MHzの高周波で動作する高効率な超音波トランスジューサを利用すると、比較的小電力で液体に強い流動を発生できることを示してしている。この現象は液体に限らず気体でも生じると考えられ、高周波を利用すれば気体でも液体と同程度の強度の流動が生じると予想されるが、これまでこの様な現象の報告は見当たらない。これは、気体中での超音波の減衰が大きい為に、現象の観測が困難な上に、これまで気体に対する高効率な高周波超音波トランスジューサが開発されてこなかったためと考えられる。
本研究では、気体に対する高効率な高周波超音波トランスジューサを実現し、それを利用して気体に対しても強力な超音波流動現象が発生し得る事を実験的に立証することを目的とした。
まず、ゾルゲル法に基づくチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)薄膜の作成とそれを利用した高効率高周波超音波トランスジューサの実現について検討した。熱処理時の昇温ならびに降温時の雰囲気ガスや温度勾配が薄膜の結晶性や圧電性にどの様な影響を及ぼすかを明らかにすると共に、これらがPZT薄膜下に堆積する緩衝層へ大きく影響することが明らかになった。現在、緩衝層を構成する材料までも含めて詳細に検討を進めている。
また、高性能トランスジューサを実現するための作成プロセスとして、PZT前駆体ゲルに対する直接パターニングにより微細な構造を作製する方法について検討し、その圧電性について定量的評価を行なった。具体的には、本申請者らが提案しているPZT前駆体溶ゲルに対する直接パターニングの手法を改良し、酸化亜鉛膜を用いた微細な「型枠」を併用する手法を新たに考案した。本手法により、厚さ1μm,直径160μm程度のPZT構造体を一度の焼成で作製することに成功した。また、従来の方法に比べて形状の乱れが少なく、再現性の向上も望める。
次に、本提案手法により作製したPZT構造体を用いて超高周波圧電トランスジューサを作製した。そして、電気的特性の評価を行なったところ、2GHz帯において、k_t〓20%と比較的大きな電気機械結合を持つことが判った。
本提案手法では、PZT膜を任意の微細な形状に加工する際、酢酸水溶液とアルコールを使用するだけであり、基板などに対する影響などについて、有利な方法であると言える。
気体に対して高効率な超音波放射を実現するためには、トランスジューサをダイアフラム化しなければならない。現在、本申請者等はこのプロセスの構築に務めており、実現し次第気体に対する超音波流動現象の観測を試みたいと考えている。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] T.Omori et al.: "Preparation of piezoelectric PZT micro-discs by sol-gel method"Technical Digest of the 17th Sensor Symposium. 69-72 (2000)

  • [文献書誌] T.Omori et al.: "Selective area preparation of PZT discs and their ultrasonic applications"2000 IEEE Ultrasonics Symposium proceedings. (2000)

  • [文献書誌] T.Omori et al.: "PZT thin films for SAW and BAW devices"Intern'l Symp.on acoustic wave devices for future mobile communication systems. 245-250 (2001)

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公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

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