研究概要 |
Al薄膜を電気化学的に陽極酸化して絶縁化すると、ハニカム状の微細貫通孔が自己組織的に形成される。これをマスクにして集積微細ショットキーダイオードを試作するのが本研究の目標である。 これに対し、マスクの形成をまずバルクAl金属表面の陽極酸化で調べ、0.5Mのシュウ酸溶液で実際にこれが形成されることおよび最適な出現条件を原子間顕微鏡による観察から明らかにした。これを参考に、次に、GaAs上のAl薄膜について同様な実験を試み、ハニカム状孔を自己組織的に形成するのに成功した。孔は直径30〜50nm,間隔50〜80nmでハニカム状に配列している。これらの寸法の制御はまだできていない。また、孔の深さも不明である。 別の研究過程で、Si(310)清浄表面上のInは自己組織化によりマイクロドット構造のショットキーダイオード配列になることを見出した。この場合には、陽極酸化は不要である。超高真空中でSi表面の清浄化とInの蒸着およびアニーリングをすればよい。 製作したダイオードの電気的諸特性の測定は導電性カンチレバを用いた原子間力顕微鏡で行う。この測定をコンピュータ制御により自動化するため、ハードウェアおよびソフトウェアの設計製作を行った。
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