研究課題/領域番号 |
11650352
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研究機関 | 岡崎国立共同研究機構 |
研究代表者 |
黒澤 宏 岡崎国立共同研究機構, 分子科学研究所, 助教授 (80109892)
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研究分担者 |
亀山 晃弘 宮崎大学, 工学部, 助手 (00264367)
横谷 篤至 宮崎大学, 工学部, 助教授 (00183989)
福井 一俊 岡崎国立共同研究機構, 分子科学研究所, 助教授 (80156752)
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キーワード | 非線形光学 / 石英ガラス / 波長変換 / レーザー / ポーリング |
研究概要 |
高温に保った石英ガラスに5kV/mm程度の高電界を印加する熱ポーリングによって、ガラスが本来持っていない二次非線形光学性を持たせることができる。その値が1pm/Vと、水晶と同程度の大きさになることから、実用的な波長変換デバイスへの応用が期待される。しかしながら、純粋石英ガラスにおいては、通常の熱ポーリングでは、この種の二次非線形光学性が発現しない。我々は、純粋石英ガラスに紫外レーザー光を照射することによって、欠陥を作り、その後熱ポーリングすることによって、純粋石英ガラスにおいても二次非線形光学性を発現させることに成功した。しかも、二次非線形光学性に関係する欠陥がSiO^-イオンであることを明らかにした。この欠陥は、紫外レーザー光を照射することによって、消滅することが予想され、まさにその通りになっていることも明らかにした。その結果、二次非線形光学性を持つ石英ガラスに紫外レーザー光を照射することによる、その非線形性の制御が可能となった。そこで、紫外レーザーから出たビームを2本に分け、干渉させることによって、一定間隔の強度分布を作り、この縞状光を照射することで、一定の周期性を持った二次非線形光学格子の作成に成功した。このような疑似位相整合構造を作ることで、波長変換効率が大幅に増大することが期待できる。現時点では、平板試料に熱ポーリングを行い、疑似位相整合構造を持つ非線形光学素子を作っているが、この構造の垂直方向から基本光を導入することを行っていないために、波長変換効率の増大までには至っていないが、試料形状を工夫することで、その問題も解決できる。
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