研究概要 |
1. 平成11年度に作成した,デジタル・マイクロミラー・デバイス(DMD)用のホログラフィック光学素子(HOE)とDMDとを実際に組み合わせ2つ目の試作システムを製作した.このシステムの仕様以下の通りである.0.051[mm]×0.102[mm]の微小ホログラム(回折格子)が32個集まって,表示する立体像の1画素を構成する.この画素が,100×75画素集まって1立体像を構成する.つまり,横100×縦75画素で32方向からの観察が可能な立体像が表示できた.ディスプレイのスクリーンサイズは40.8[mm]×30.6[mm],視域角は22度である.さらに,フレーム毎の静止画データをあらかじめ計算して保存しておき,連続して表示させることにより,動画表示も行うことができた. 2. 2枚のDMDを用いて光学的に2倍の面積のDMDを構成し,またこの大型DMDに合わせたHOEを試作し,両者を組み合わせて大画面表示の可能性を示した.横200×縦75画素で32方向から観察可能な立体像を表示できた.DMDを大型化することにより,更なる大画面化も可能である. 3. DMDは本来デジタルプロジェクタに用いられている部品であるが,デジタルプロジェクタを構成する白色光源と回転カラーフィルタの組み合わせを,レーザの替わりにそのまま本システムの光源として用いることによって、カラー動画表示を実現した. 4. 大型のフレネル凸レンズ,直径500[mm],焦点距離250[mm],を用いて,HOEスクリーン近辺に表示されている立体像を空中に拡大投影することにより,観察者にスクリーンを意識させない表示が可能となった. 今後,システムのインタラクティブ化を行い,複合現実感への応用を進めていく.
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