1.多眼ステレオグラム程度の情報量で、ホログラフィのように自然な3次元像を表示できる、3次元物体からの視差光線を再生する方式の3次元像表示システムを試作し、原理確認を行った。100×75画素のホログラフィックスクリーンを用い、22°の視野角に32方向の視差光線を再生できた。カラー化には3原色のHOE照明光を時分割で切り替えることで、モノクロの場合と比較して画質の劣化がない方式を実現した。 2.計算機内に表示したい物体の3次元モデルを構築し、このモデルから表示用データを高速に生成する手法を確立した。Pentium4(1.5GHz)、Matrox Millennium G450の組み合わせで、毎秒約12フレームの3次元画像表示用データを生成できた。 3.フレネルレンズを用いた3次元像の空間投影システムを試作した。これにより、複合現実感システムとしてインタラクティプな操作を行う場合、3次元像表示システムのスクリーンが、操作者の3次元像に触れる動作の物理的な障害になることを克服できた。 手指の動きを検出する磁気センサと組み合わせることで、操作者にスクリーンを意識させない複合現実感環境を構築できた。 4.リアルタイム3次元ディスプレイのインタラクティブ化の試みとして、力覚フィードバック機能を持ったディスプレイを試作した。このシステムにより、リアルタイム3次元デイスプレイで表示された3次元像を、観察者があたかも実際に触れるような触感を与える複合現実感環境を実現できた。
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