研究課題/領域番号 |
11650356
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研究機関 | 神奈川工科大学 |
研究代表者 |
宝川 幸司 神奈川工科大学, 工学部, 教授 (30257406)
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研究分担者 |
黄 啓新 神奈川工科大学, 工学部, 講師 (30257414)
荒井 俊彦 神奈川工科大学, 工学部, 教授 (60130796)
宇野 武彦 神奈川工科大学, 工学部, 教授 (50257408)
野毛 悟 神奈川工科大学, 工学部, 助手 (10221483)
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キーワード | 弾性表面波 / 半導体 / 機能集積素子 |
研究概要 |
弾性表面波半導体集積回路の実現を目指し、プロセス基本技術の改良と光・弾性波・半導体素子についての基本検討を進めた。 1.プロセス技術;核となるのは、上記の材料をセミモノリシックに接合する技術である。これまで我々は圧電材料の上に半導体を貼り付けるエピタキシャルリフトオフ技術を進めてきた。この技術では接合界面処理、貼り付ける際の応力制御等が課題となっていた。検討の結果、以下の成果が得られた。 a)表面処理にはアンモニア系の溶剤で表面を親水化する事とプラズマ処理によるクリーニングと活性化が有効であることを明らかにし、最適な処理条件を把握することが出来た。 b)応力の緩和および処理時間の短縮化を可能とする犠牲層エッチング条件および応力付加条件につき、理論と実験による検討を進め、処理時間の大幅な短縮と最適応力付加条件を把握出来た。 これらの検討により、再現性良く異種材料を接合する事が可能となった。 2.素子基本検討;上記プロセスを用い光、電子、弾性波の相互作用を究明するための試験素子、および簡単な構造を持つ弾性波半導体集積回路の試作を行い素子研究を進めた。その結果、以下の成果が得られた。 a)現象面;光照射で発生した半導体膜内のキャリアの相互作用について調べた。キャリア数により決まる半導体のインピーダンスと弾性波の表面から見た等価インピーダンスが整合する付近で弾性波は大きな摂動を受け、大きく減衰する。この減衰は発生した電子ホール対の電子のみが弾性波によって生じたポテンシャルウエルにより転送される事が主因となっていることを明らかにした。また摂動により生じる弾性波の速度変調効果や非線形結合について大きな情報を得ることが出来た。 b)素子研究;上記現象を利用した光制御位相器や変調回路および光制御発振器などの新素子を試作し、それらの基本動作に成功した。
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