研究概要 |
1.ロータリーエンコーダ用高精度誤差計測回路ボードの開発 ・ロボットのアームや天体望遠鏡の高精度角度制御のため,ロータリーエンコーダの高精度化が求められている.リコンフィギャラブル・コンピュータの技術を用いて開発した本計測回路ボードは,エンコーダの全目盛(数万パルス/rev)を0.0035角度秒の分解能で,数秒の時間内に測定する回路である. ・誤差測定法には(1)時間変換法と(2)カウンタ法がある.(1)については,検出ヘッドを1ヘッドから8ヘッドに増加させたシステムの誤差計測を可能にする回路を開発した.1ヘッド当たり±1.5"あった誤差を±0.1"まで向上させることが出来,システム全体の校正精度±0.02"を達成した. ・(2)は多くの企業で実績のある方法なので,カウンタ法による計測を可能にする回路も開発し,計測回路ボードに組込んだ.本方法による校正精度±0.27"を達成した. 2.データフローマシンアーキテクチャをもとにした32ビットRISCプロセッサの設計 ・ロボットの各種処理の高速化のため,データフローマシンアーキテクチャを基にした並列プロセッサの研究を開始した.今回,高階関数が取り扱える関数型言語の並列リダクションを可能にするマシンPRM(Parallel Reduction Machine)を実現する方式を考案し,それに基づいて並列処理対応32ビットRISC(Reduced Instruction Set Computer)プロセッサを設計した. ・10万ゲートのFPGA(Field Programmable Gate Array)2個と4MビットのSRAM24個を搭載したPCIバスインタフェース付きPRMボードを開発した.2個のFPGAのそれぞれに上記プロセッサを書き込み,個別に動作検証を行った結果,PRMの並列動作に必要な6個の命令を含め,31個全ての命令の組み合わせに対して正常動作を確認した.
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