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2000 年度 実績報告書

微小電子源により生成した電子ビームの計測と応用

研究課題

研究課題/領域番号 11650362
研究機関福岡工業大学

研究代表者

石塚 浩  福岡工業大学, 工学部, 教授 (50015517)

キーワード微小電子源 / 微小電子源 / 電子ビーム / 電圧安定化 / スミス-パセル放射 / スミス-パセル放射 / 分光 / 自動計測
研究概要

1.エネルギー120keVまでのビーム加速
微小電子源を陰極とする3極構造の小型電子銃を製作し、先ず安定化直流電源を用いて45keVまでの電子ビームを生成した。次いで公称出力350kV10μAの小型ヴァンデグラフ静電発生器によって更に高エネエルギーへの加速を試みた。陰極柄を通す絶縁管として当初、長さ30cmのパイレックスを使用したところ、90kVまでを印加できたが耐圧は短時間で30-40kVに低下した。そこで定格30kVのセラミック製絶縁管4本を連結して用い、加速電圧を120kVに高めた。また小型ヴァンデグラフ静電発生器は出力電圧は変動し易いので、コンピュータによる安定化を施した。これらの結果、目標とした100keVを超えるエネルギー120keV(電流値3μA)までの安定な電子ビームを生成した。
2.スミスーパセル放射実験の拡充
平成11年度には35-45keV25μAの電子ビームを用いて、回折格子面の上方80度の向きに放射される650-750nmの波長のスミス-パセル光を検出した。その際、分光器とチョッパーを組み合わせた微弱光検出法を採用したが、手動による分光は時間と手間とを要した。広範な電子ビームパラメタについてデータを得る為に、本年度は先ず分光の自動化を行った。パソコンからの指令によって分光器を走査し、各波長におる光の強度を加速電圧及びビーム電流とともにパソコンに取り込んで処理するものである。この迅速化に基づき、15-60keVの電子エネルギーと350-750nmの可視全波長領域を網羅する形で測定を行った結果、スミス-パセル理論と良く一致する光が放射次数-2から-5に亘って検出された。電子ビームの電流値を10μA、更に1μAに低くしても、スペクトルのピークが明瞭に観測された。本実験で見出された問題点は、回折格子が電子衝撃によって損傷を被ることのみで、微小電子源並びに生成される電子ビームは十分な実用可能性を有すると結論される。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] H.Ishizuka,Y.Kawamura,K.Yokoo,H.Shimawaki,A.Hosono: "Smith-Purcell Radiation Experiment Using a Field-emitter Array Cathode"Nucl.Instr.and Meth.in Physics A. 445. 276-280 (2000)

  • [文献書誌] 石塚浩,河村良行,横尾邦義,嶋脇秀隆,細野彰彦: "微小電子源を用いて発生したスミス-パセル光の自動走査計測"信学技報. ED2000-207. 13-20 (2000)

  • [文献書誌] H.Ishizuka,Y.Kawamura,K.Yokoo,H.Shimawaki,A.Hosono: "Smith-Purcell Experiment Utilizing a Field-emitter Array Cathode : Measurements of Radiation"Nucl.Instr.and Meth.in Physics A. (to be published). (2001)

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公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

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