研究概要 |
全光的なルーテイング処理を実現するためには,送り先アドレスの認識、ヘッダの書換え、ルーティング用内部アドレスの付加、セル衝突処理などの信号処理技術を開拓する必要がある。ATMと同じ構成の光セルのヘッダ部分中に含まれる特定ビット列の書換えとルーティング用内部アドレスの付加を実現するために、次の処理を行う光回路を考案することが本研究の目的である。 1.セル中の特定のビット列を完全に除去する光回路 2.セルの特定位置に外部から与えた所望のビット列を挿入する光回路 ヘッダ中の所望の位置にあるビット列を書換えるために、書き込み位置に対応するビットを抽出し、これを基に書き換えた新たな情報を書き込むスペースを確保する必要がある。この機能を全光的に実現するために、本年度はセル中の所望のビット列を除去する光回路を検討した。 入力セルに対して、消去ならびに書き込みタイミングの同期を達成するために、アドレス抽出回路において入力セルから生成した光タイミングクロックを基本に用いる。適当な遅延線路と時間多重回路を用いて、セル中の所望のビット列にタイミングクロックを同期させる。書換対象のビット列を完全に消去するために、ビットごとに消去信号を生成する方法とビット列として処理する方法について検討を行い、光回路を構成する際の問題点を明らかにした。処理対象の信号光パルス幅に比べて適切に広いスイッチングウインドウを生成する光回路を考案することが、次年度の研究課題である。
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