研究概要 |
1.推定器の設計:距離の最も近いテンプレートだけでなく,その近傍にあるテンプレートとの類似度も評価に加えることで推定精度を向上させる方法について検討した.具体的には,重み付き線形補間推定器を構成し,計算時間,推定精度,分解能の観点からいかなる重み関数を用いればよいかを調べた.その結果,テンプレートの分布を考慮に入れた重み係数の設定により,推定精度が向上することがわかった.ただし,データベースから抽出したテンプレートの数が極端に少ない場合は,重み係数がうまく設定できないため,単純な相加平均がもっとも良い結果を与えた. 2.到来波数の推定:あらかじめ設定しておいた到来波数に比べ実際の到来波数が多い場合は,観測信号の特徴ベクトルと抽出されるテンプレートの平均距離が大きくなる.そこで,閾値を設定し,平均距離が閾値以下となる到来波数を調べることで到来波数を推定した.これにより,観測雑音,量子化誤差の影響が小さい場合は,正しく到来波数が推定できることがわかった.さらに,到来数が異なる場合のデータベースを複数作成しておき,それらを並列探索することで,到来波数が未知の問題にも拡張できることがわかった.
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