研究概要 |
1.時変データに対する追随特性の評価: 到来方向が時間変化する問題に提案法を適用し,到来方向の時間変化量と推定精度との関係を計算機シミュレーションにより確かめた.その際,特徴量の逐次推定法として,スライディング矩形窓方式,指数減衰重み方式のいずれが有効であるかを比較検討し,計算量の面からスライディング矩形窓方式が優れていることがわかった.各時刻ごとにすべてのテンプレートとの距離を比較すると膨大な処理時間が必要となるので,到来方向の時間変化は小さいとして,一時点前の推定値の近傍にあるテンプレートのみを検索することで検索時間の削減を計る方法を提唱した.そして,検索幅,処理時間,到来方向の時間変化量との関係を,計算機シミュレーションにより確かめた. 2.2次元アレイアンテナヘの拡張:2次元アレイアンテナでの観測データから回転不変量を抽出し,それを特徴量としてテンプレートを作成した.これにより,仰角と回転角を独立に推定することを理論的に明らかにし,計算量削減の効果を計算機シミュレーションにより確かめた.なお回転不変量としては,ツェルニケモーメント,擬ツェルニケモーメント,ラゲール不変量,モーメント不変量それぞれについて検討し,推定精度と処理時間の観点から比較検討した.その結果,ツェルニケモーメントが優れていることを確かめた.
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